| 切り絵作家 百鬼丸の世界
川越の武将たちの姿が切り絵に甦る
切り絵作家、百鬼丸??はて・・と思われるかたはまずこれを。

時代小説の文庫本、単行本の表紙で作品をご覧になった方はきっと多いはず。
既に700冊の表紙を飾っています。
鋭いカッターナイフが紙の上を走りそこに一人の武将の姿が現れた瞬間、1枚の紙が平面から立体へ、静から動へ。くっきりと濃いシルエットに浮かび上がった人物像は、見る人に向かって力強い視線を投げかけてきます。
百鬼丸さんのイマジネーションの世界で生まれた個性的な人物像です。
川越の岡田畳店の二階で開かれていた展示会場で百鬼丸さんの話を伺うことができました。

百鬼丸・・手塚治の「どろろ」の主人公の名前、焼き物作家を目指していた30代の頃時から心に決めていた名前だとか。
1951年生まれ、埼玉在住、人物作品を中心にした切り絵画家として数少ない存在です。
大学で建築学を学んだあと、モデルのマネージャーという異質な世界へ。2年後
器用な手先を活かして「ものづくり」に関わりたいと常滑の焼き物工房に入ったのですが、
すでに同年代の仲間は焼き物作家。スタートの遅かった百鬼丸さんは、他の人と違うものを求めて、
粘土を紙状にして模様をナイフで切り取り、貼り付けるという新しい技法にチャレンジします。
アイデアを保存していくために作り始めた切り絵、徐々にその魅力にのめりこみ、急速に腕を上げていきます。
なんと半年後にはJTBの「旅」という雑誌編集者の目にとまり、このシリーズで「百鬼丸の切り
絵」は次々と世に出て行きます。人物の切り絵は、小説などの挿絵として以前からあったのですが読む者の空想力を邪魔するということで、(百鬼丸さんの言葉によると「ダサい芸術」と評価され)
これに取り組む作家はほとんどいない中で、自分のやり方を押し通しやり続けたことが世に認められたのだと百鬼丸さんは語ります。普通なら切り絵作家として自活することさえ難しい現状で、今や独特な「百鬼丸の世界」は出版業界に無くてはならない存在になっています。
会ったこともない歴史上の人物や小説の中で描かれる人物像、なにかモデルになるものはあるのですかと言う質問に、時代考証を調べることはありますが、ほとんどは自分の
心の中に生まれたイメージですとの答え。更にはカラフルな色彩と立体的なペーパークラフトの世
界へと、従来の切り絵から更に新しい作品も誕生しています。

百鬼丸さんは今、切り絵ライブなる新しい分野に挑んでいます。ライブというと、まず「お題」を頂
戴しそれにあわせてハサミで切り取っていく高座芸を思い浮かべますが、彼は「江戸物売り」「武田
24将」「川越の歴史」などについて語りながらカッターナイフで切り取っていきます。
百鬼丸さんの背景にあるのは「川越の歴史」、大田道灌、川越太郎、里姫、天海(喜多院の住
職)、春日の局。 ※人物については元気埼玉「川越ろーまん散歩へ

川越の街や、鎌倉街道を歩くと歴史を肌で感じることが出来るという百鬼丸さんいとって、川越の畳屋さんの上にある工房は次々にイマジネーションを生むお気に入りの場所、ライブ会場の切り絵の前で
日本三大夜戦「北条氏康と上杉憲政の川越夜戦」について熱く語り始めます。
「目標はアーティストとして確立した作家」百鬼丸さん今年58歳、鋭いカッターの刃先でまた新たな世界を切り出して行きそうです。
百鬼丸さんの切り絵教室、イベントに関してはホームページへ。
アーティストとしての自分を確立したいと語る百鬼丸さんでした。
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