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元気埼玉 > マネー > エコノミスト・金子豊治郎が語る「景気・株価の見方」 > バックナンバー
マネー
金子豊治郎の「景気と株価の見方」(2007年9月21日) 

<ポイント>

  • 景気は2007年1月以降緩やかな後退局面(あるいは「踊り場」)にあり、秋口から反転するとみられる。
  • 7月下旬から海外要因で下落した平均株価は、今後上昇軌道に戻るとみられる。

    (前回8月と基本判断は変えていない)

足元の景気−足元の景気−再上昇への兆し

(1)設備投資は再び加速か
 前回8月の本欄で、設備投資の先行指標である機械受注額が6月に大幅減少、株価が急落したことなどから、景気判断を慎重化、年初来下り坂にあった景気の持ち直し時期は秋口以降に後ずれするとの判断を示した。
 しかし、機械受注統計は、いわゆる設備投資の先行指標とされている、実勢をよく表す、「船舶・電力を除く民間企業からの受注額合計」で見て7月は前年比8.0%増とプラスに転じた。また、建設投資の先行指標である建設着工床面積は、足元で大幅に増えている。企業収益が好調であることもあり、設備投資は今後再び息を吹き返す可能性が高いとみられる。

(2)米国経済の落ち込み、影響は限定的
 日経平均株価は7月20日まで1万8000円台にあったが、その後急落、9月下旬現在で1万6000円台と低迷している。この背景には、米国の低所得者向け住宅ローン(サブプライム)の焦げ付きをめぐる世界的な信用不安があるとされる。
 ただ言えることは、@米国および他国の金融当局が迅速な対応をとり、市場も落ち着きを取り戻してきている、A米国経済の世界に占める地位がかつてに比べ大幅に低下し、世界経済は、過去最高の年率5%程度の成長を維持している、ことなどから日本経済が実体面で大きなマイナスをこうむることはないとみられる。
 日本の輸出は数量ベースでみて、今年1−3月は落ち込んだが、4−6月になり再び勢いを増している。輸出の増勢は維持されるのではないか。

(3)景気は夏まで調整過程だが底堅い
 今年前半から夏にかけ景気は軽い調整局面にあったことは間違いないが、底堅い状態を維持し、足元では再び反転の兆しがある。本格的な景気後退は回避され、秋以降は上昇過程に戻る可能性が高い。

今後の展望−景気は再び上昇軌道へ
今後を考えるのに、一つかぎとなるのは輸出がどうなるか。すでに見たように、輸出は足元で再び増勢を強めつつある。輸出が急減して景気の足を引っ張る事態は当面は避けられそうだ。
 しかし、日本経済の方向を決定するのはやはり国内の需要(内需)である。
筆者は、内需の変動は銀行による信用供与(貸し出しなど)、マネーサプライの供給に左右されという考え方から、独自の景気予測法を開発している。
7月までの統計を用いて景気の先行きを試算したところによると、景気には、すでに昨年末から上向きのエネルギーが働いており、その力はそれほど強いものではないが、徐々に拡大してきている。今後は輸出の増加に、マネーサプライ要因が上向きに変化し、景気は反転、上昇する可能性が大きい。その時期は、秋口からとみられる。

今後の株価−足元から上昇に向かう可能性
以上のように実体景気が推移すると、株価はどうなるだろうか。
日経平均株価でみて、今年2月には、1万8,000円台(高値は2月26日の 18,300円)を記録したが、2月末、中国上海市場の下げをきっかけに急落。その後戻して6月初旬に18,000円台を回復したが、年初来高値は超えられず、下旬から米国サブプライムローン問題から下げに転じ、9月下旬現在で1万6000円台まで落ちている。
株価の変動要因には様々あり、特に今回のような海外要因は予測が難しいが、株価は平均株価で見れば、経済指標の一つであり、通常、実体景気に対して先行しながら連動するパターンをとる。筆者は、実体景気の変動にマネーサプライ要因が働くと考えているが、株価に対しては実体景気より早いタイミングでマネー要因が効く。そのため、マネー要因はすでに株価押し上げに作用しているはずである。
平均株価は現状、膠着状態を脱け出し、上昇軌道に移りつつある段階とみる。米国住宅金融問題による下げは一時的現象とみたい。足元で足踏み状態にあるが、今後はトレンドとしては上昇に向かう可能性が高いとみている。株式投資は短期的動きに惑わされず、少し長い目で腰を据えて取り組むべきであろう。
(以上は、筆者の個人的見解です。また経済には必ず不確定要素が伴い、予測の部分は、当然のことながら100%保証できるものではありません。投資は各自の判断でお願いいたします)。

金子 豊治郎 
1950年 埼玉県生まれ
74年 一橋大学経済学部卒業、日本経済新聞社入社。
91年 日本経済研究センター出向、短期予測チーム、中期予測チーム主査
2000年より2006年8月まで 同主任研究員。
現在 東上沿線新聞代表
2001年より2005年東京工業大学客員教授(経済予測論)
2004年より明星大学非常勤講師(景気変動論)を兼務。

著書
 『揺るぎなき日本経済』(共著、日本経済新聞社、92年)
 『日本経済フエアプレー宣言』(共著、日本経済新聞社、93年)
 『日本経済・穏やかなる復活』(日本経済新聞社、94年)
 『社会保障改革の経済学』(共著、東洋経済新報社、03年)
 『新景気変動論』(大学教育出版、05年)など。

「東上沿線物語」(東上沿線新聞発行) http://www.tojoshinbun.com/
景気・株価予測の詳細 http://homepage3.nifty.com/yosoku/

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