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| 金子豊治郎の「景気と株価の見方」(2007年7月) |
<ポイント>
- 景気は2007年1月以降緩やかな後退局面(あるいは「踊り場」)に入っていたが、すでに緩やかに反転する兆しを見せている。
- 3月から下落、横ばい傾向をたどってきた平均株価は、足元から上昇軌道に移りつつあるとみられる。
(前回6月と基本判断は変えていないが、実体経済の落ち込みは想定より軽く、反転も早いようだ)
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足元の景気−下り坂から反転の兆し
2002年1月から上昇を続けている景気は、今年になり、調整局面に入
っていた。数ある景気指標のうち単一で最も景気を素直に反映するのは、国内全体の製造業の生産量を示す鉱工業生産指数(経済産業省作成)だ。この伸び率(前年同月比)は昨年10月の7.5%増がピークで今年3月は2.0%増まで鈍化した。
ところが、この生産指数の伸びは、4、5月とやや戻している。この
背景には、一つは輸出の底堅さがあるようだ。輸出も、物量ベースでとらえた輸出数量指数は、昨年8月までは前年同月比2桁で増加していたのが、9月以降は1桁の伸びに鈍化、今年になり2月からはほぼ横ばいに落ち込んだ。特に米国向けが減少していた。ところが5月から再び伸びが高まり始めた。中国はじめアジアの旺盛な需要が背景にある。
以上から、年初から軽い後退局面に入っていた景気は、年半ばにして、早
くも下げ止まり、反転の兆候が出ている。従来の筆者の予測では、実体景気の反転上昇は夏以降とみていたが、やや早まるかもしれない。その場合、今年前半の景気はまたもや「踊り場」であり、景気後退に認定されないだろう。 |
今後の展望−景気は再び上昇軌道へ
今後を考えるのに、一つかぎとなるのは鈍化してきた輸出がどうなるか。そ
のため、米国経済をはじめとする世界経済動向に依存する面がある。
ただ、日本経済の方向を決定するのはやはり国内の需要(内需)である。筆
者は、内需の変動は銀行による信用供与(貸し出しなど)、マネーサプライの供
給に左右されという考え方から、独自の景気予測法を開発している。
5、6月までの統計を用いて景気の先行きを試算したところによると、景気
には、すでに昨年末から上向きのエネルギーが働いている。今後は輸出の下げ止まりに、マネーサプライ要因が上向きに変化し、景気は反転、上昇する可能性が大きい。
ただ、現段階で入手可能な材料から判断して、景気が上昇に向かっても、そ
のテンポは非常に緩やかになる、あるいは再上昇自体が短命に終わる恐れがある、とみられる。 |
| 今後の株価−足元から上昇に向かう可能性
以上のように実体景気が推移すると、株価はどうなるだろうか。
株価は昨年半ばから上昇傾向をたどり、日経平均株価でみて、今年2月には、
昨年4月の高値(1万7,563円)を超え、1万8,000円台(高値は2月26日の18,300円)を記録したが、2月末、中国上海市場の下げをきっかけに急落。その後戻して6月初旬に18,000円台を回復したが、7月前半までなお年初来高値を超えられず膠着状態にある。
筆者は株価に対しては実体景気より早いタイミングでマネー要因が効くとみている。そのため、マネー要因はすでに株価押し上げに作用し始めている。
平均株価は現状、膠着状態を脱け出し、上昇軌道に移る段階とみる。買いのタイミングとなる可能性が高いとみている。
(以上は、筆者の個人的見解です。また経済には必ず不確定要素が伴い、予測の部分は、当然のことながら100%保証できるものではありません。投資は各自の判断でお願いいたします)。s
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金子 豊治郎
1950年 埼玉県生まれ
74年 一橋大学経済学部卒業、日本経済新聞社入社。
91年 日本経済研究センター出向、短期予測チーム、中期予測チーム主査
2000年より2006年8月まで 同主任研究員。
現在 東上沿線新聞代表
2001年より2005年東京工業大学客員教授(経済予測論)
2004年より明星大学非常勤講師(景気変動論)を兼務。
著書
『揺るぎなき日本経済』(共著、日本経済新聞社、92年)
『日本経済フエアプレー宣言』(共著、日本経済新聞社、93年)
『日本経済・穏やかなる復活』(日本経済新聞社、94年)
『社会保障改革の経済学』(共著、東洋経済新報社、03年)
『新景気変動論』(大学教育出版、05年)など。
「東上沿線物語」(東上沿線新聞発行) http://www.tojoshinbun.com/
景気・株価予測の詳細 http://homepage3.nifty.com/yosoku/ |