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| 金子豊治郎の「景気と株価の見方」(2007年6月) |
<ポイント>
- 景気は2007年1月以降緩やかな後退局面(あるいは「踊り場」)に入っており、夏場に底に到達、緩やかに反転する。
- 3月から下落、横ばい傾向をたどってきた平均株価は、足元の6月で上昇傾向に移りつつある可能性が大きい(今が買いのタイミングである)。
(6月9日更新、前回5月と基本判断は変えていない)
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足元の景気−下り坂
株価など金融指標との関連で景気を見る場合、重要なのは変化の「方向」である。短期的な景気変動は年初から「下り坂」であるとみたい。
数ある景気指標のうち単一で最も景気を素直に反映するのは、国内全体の製造業の生産量を示す鉱工業生産指数(経済産業省作成)だが、この伸び率(前年同月比)は昨年10月の7.5%増がピークで今年4月は2.3%増まで鈍化している。景気の勢いが弱まっていることは間違いない。
これは、需要の伸びが鈍化してきたことが主要因だ。設備投資の先行指標とされる機械受注(船舶・電力を除く民需)も、昨年後半から急ブレーキがかかっており、今年4月は前年同月比9.0%減と大幅なマイナスとなった。従来景気を主導してきた企業の設備投資は明らかな調整に入っている。
これまでもう一つの景気の牽引役であった輸出も、頭打ちの兆しが出ている。輸出を物量ベースでとらえた輸出数量指数は、昨年8月までは前年同月比2桁で増加していたが、9月以降は1桁の伸びに鈍化、2月からはほぼ横ばいに落ち込んだ。特に米国向けが減少している。
今回の景気は2002年1月を底に長期の上昇局面をたどってきたが、すでに軽い後退局面に入っているとみられる。 |
今後の展望−今年夏には再び上昇へ
筆者は、銀行による信用供与(貸し出しなど)を重視した独自の予測法を開発しており、5月までの統計を用いて試算したところによると景気は少なくとも今年の夏(8〜9月)ごろまでは緩やかに落ち込んでいく公算が大きい。ただ、夏以降は、マネーサプライ要因が変化し、景気は再び反転、上昇する可能性が大きい。
この場合、今回の景気後退は、非常に短期間で終わる。あるいは事後的に「踊り場」とされ、景気後退に認定されない可能性もある。
ただ、現段階で入手可能な材料から判断して、夏場以降景気が上昇に向かっても、そのテンポは非常に緩やかになるとみられる。 |
| 今後の株価−足元から上昇の可能性
以上のように実体景気が推移すると、株価はどうなるだろうか。
株価は昨年半ばから上昇傾向をたどり、日経平均株価でみて、今年2月には昨年4月の高値(1万7,563円)を超え、1万8,000円台を記録したが、2月末、中国上海市場の下げをきっかけに下げに転じ、その後戻すも6月初旬で1万7,000円台後半で膠着状態にある。
株価は通常、実体景気に対して先行しながら連動するパターンをとる。筆者の考え方では、平均株価の変動には実体景気と同様にマネーサプライ要因が働くが、マネー要因はすでに株価押し上げに作用し始めている。平均株価は足元の6月あたりで底を固め、反転上昇に向かうのではないか。当面、1ヶ月程度の間が買いのタイミングとなる可能性が高いとみている。
(以上は、筆者の個人的見解です。また経済には必ず不確定要素が伴い、予測の部分は、当然のことながら100%保証できるものではありません。投資は各自の判断でお願いいたします)。
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金子 豊治郎
1950年 埼玉県生まれ
74年 一橋大学経済学部卒業、日本経済新聞社入社。
91年 日本経済研究センター出向、短期予測チーム、中期予測チーム主査
2000年より2006年8月まで 同主任研究員。
現在 東上沿線新聞代表
2001年より2005年東京工業大学客員教授(経済予測論)
2004年より明星大学非常勤講師(景気変動論)を兼務。
著書
『揺るぎなき日本経済』(共著、日本経済新聞社、92年)
『日本経済フエアプレー宣言』(共著、日本経済新聞社、93年)
『日本経済・穏やかなる復活』(日本経済新聞社、94年)
『社会保障改革の経済学』(共著、東洋経済新報社、03年)
『新景気変動論』(大学教育出版、05年)など。
「東上沿線物語」(東上沿線新聞発行) http://www.tojoshinbun.com/
景気・株価予測の詳細 http://homepage3.nifty.com/yosoku/ |