| [Vol.16] はしか
製薬会社元研究所長 亀井 敏夫さん
今年も、新聞ではしかの流行がぽちぽちと報告されています。昨年は早稲田大学や、慶応大学のような多くの大学で集団流行のため休校があり、一躍流行病になってしまいましたが、団塊世代以上の年代では、ほとんどの人は子供の頃にはしかにかかり、免疫ができており、はしかにかかることはあまりないと思います。
子供の頃に、「大人になってはしかに罹ると大変なので、子供の時に罹ったほうが良い」と言われたことを覚えています。最近の流行は、中途半端なワクチン接種により生じています。会社に勤めていたころ、隣の席にいた元小児科の医者が、日本は、はしかを輸出していると先進国から非難されていると言っていましたが、昨年の流行でその意味がわかりました。
アメリカで散発的に生じたはしかの流行の原因の一つは、日本からの持込みとだいわれています。1996〜2003年にアメリカで確認された外国人のはしかの患者は290人で、その中で日本人は44人であったと報告されています。
厚労省のサイトは、次のように記載しています。「麻しん(はしか)は、麻しんウイルスによって引き起こされる一般に小児期に多い急性の感染症として知られていますが、本年には、10代、20代の若年者間での感染が多く見られ、社会的にも関心を集めています。その感染力は非常に強いと言われています。免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。患者1000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。」
はしかが蔓延する原因は、10代と20代の年齢層は、予防接種を一度も受けていなかったり、受けても免疫が獲得できなかった人が一定の割合で存在するためといわれています。これは1994年の予防接種法の改定で、はしかの予防接種が義務から努力義務に改められたためです。
はしかの予防接種で副作用のため訴訟があり、このため努力義務になってしまったのです。韓国では、大流行があったため、ワクチン接種を徹底し、今ではウイルスが排除されているそうです。一部の人に生じる副作用のため、はしかの予防接種を受けず、はしかに苦しむ人がいる現状は、なんとなくおかしい気がしますが・・・いかがでしょう。 |