[Vol.13]
エコノミークラス症候群
製薬会社元研究所長 亀井 敏夫さん
若い頃は仕事が忙しく、なかなか海外旅行に行けなかった人も、定年後には時間の余裕もでき、海外旅行に行く機会が多くなると思います。
今まで行けなかった所に行くのは楽しいことですが、アメリカ東海岸とか、ヨーロッパに行くには10時間以上も飛行機に乗る必要があります。狭い機内で10時間以上も拘束されるのは難行苦行です。おまけに、機内でじっとしているとエコノミークラス症候群になる危険性もあります。成田空港では、軽症を含めると、1年間に100〜150件ぐらいあるそうです。
エコノミークラス症候群は、飛行機に乗っている間に起こる、深部静脈血栓症に伴う急性肺動脈血栓塞栓症です。飛行機の中では長時間座ったままでいるため、下肢の圧迫により下肢の静脈のうつ滞と水分不足により血液粘度が上昇し、血栓ができ、血管壁に付着します。飛行機が着陸し、長い間座っていた席を立つと、長時間圧迫されていた足の静脈に付着していた血栓が血管壁からはがれ、静脈流を介して心臓を経由して肺の血管を詰まらせ、急性肺動脈血栓塞栓症を起こします。飛行機の中は、乾燥しており、水分の蒸発が激しく、飛行機の中は酒が無料のため、つい飲みすぎ、その利尿作用のため脱水症状が進みます。
エコノミークラス症候群は、エコノミークラスの座席だけでなく、実際にはビジネスクラスやファーストクラスでも起こっているそうです。エコノミークラス症候群は飛行機に乗っているときだけに起こるものではなく、新潟中越地震の被害者で、3日間以上自動車で寝起きした中高年者の人がエコノミークラス症候詳になったことが新聞で報道されていました。あまり体を動かさずにいるのが原因のようですね。
これから、ちょっと遠くまで海外旅行と考えている方へのアドバイス。
飛行機内では座りっぱなしでいることが多いため、対策としては手足を動かしたり、歩き回ったり、ストレッチ、体操などをして、体を動かすことが必要です。私の場合は、可能な限り通路側に席をとり、飛行機の中を自由に歩き回り、ストレッチをし、できるだけ水分をとるようにしています。
それでは、お元気で楽しい旅を!!
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