[Vol.10]
今月の気になる話 「頻尿」
〜人に言えないトイレの悩み、あなたは大丈夫ですか〜
製薬会社元研究所長 亀井 敏夫さん
最近、新聞等で頻尿の話題を良く目にします。
私が会社勤めをしていた頃、同僚が頻尿治療薬の研究を行なっており、研究発表会でしばしば頻尿の言葉を耳にしましたが、その頃は、そんな病気があるのかといった程度にしか感じていませんでした。しかし、段々と頻尿の言葉が気になる年代になってしまいました。私もやはり夜間に1回は小用に行くようになってしまいました。
過活動膀胱は排尿に関する症状症候群で、日本では810万人もの人が、この症状に悩んでいるそうです。高齢になると腎臓の尿を濃くする力が弱るため、夜間に1〜2回小用に行くことは異常ではないそうですが、夜寝ている間に2回以上小用に起きるようであれば、夜間頻尿といって、前立腺肥大症などが原因による頻尿と考えられるそうです。高齢の男性は、ほとんどが前立腺肥大症をもっており、前立腺への感染も起こりやすくなっており、前立腺炎では頻尿のほかに、膿尿・排尿困難・発熱などの症状を示すそうです。前立腺肥大症も高齢男性に多い病気ですので、いつか取り上げたいと思っています。
高齢になると、身体のあちこちが弱まり失禁がおきやすくなります。身体の衰えが小用と関係するのは、腎臓、膀胱、尿道といった直接排尿にかかわる部分の衰え、腎臓の濾過機能が衰えることで夜間に尿が多くつくられ、膀胱や尿道の筋肉が衰え、尿をためづらく、漏れやすくなるためだそうです。治療はまず、排尿をできるだけ我慢し、排尿間隔を延長して膀胱容量を増やす「膀胱訓練」や、骨盤底筋の収縮力を高める「骨盤底筋体操」などの行動療法があるそうです。行動療法だけでは、効果が出るまでに多少時間がかかるため、膀胱の異常収縮を抑える薬(抗コリン剤)を併せて用います。最近はわりと良い頻尿治療のための抗コリン剤もでてきています。
肥満は便秘同様、膀胱を押したり、骨盤底筋を締めにくくし、頻尿の原因になります。運動およびバランスのよい食事を心掛けながら長く時間をかけて体重を落とす必要があります。肥満は、生活習慣病の原因になりますので、肥満が原因で頻尿になっている人は頻尿治療のためだけでなく、生活習慣病の予防にもなると思います。年には勝てないと諦めるのではなく、少しでも元気を保つよう、体の訓練が必要なようですね。 |