[Vol.6]
「インフルエンザに ご用心」
製薬会社元研究所長 亀井 敏夫さん
鳥のインフルエンザと人間のインフルエンザ
今年は暖冬のせいかインフルエンザの流行が遅れていますが、1月の終わりに流行が始まったとのことです。今年の流行はA香港型とB型だそうです。
人での流行は遅れていますが、ニワトリでは、そのまんま東さんが宮崎県知事になったとたんに、宮崎でH5N1型鳥インフルエンザが発生し、対処に苦労しています。
鳥インフルエンザウイルスが人に感染する能力は低く、また感染しても人から人への伝染は起こりにくいと考えられていますが、大量のウイルスとの接触や、体質などによってヒトに感染するケースも報告されています。東南アジアでは何人かの人が鳥インフルエンザのため死亡しています。
トリインフルエンザが人に感染するように変異すると、1918年のスペイン風邪のように大流行し、日本国内で約3200万人(人口の約25%)が発症し、最悪の場合、10万7000人が死亡するとされています。最近H5N1ウイルスに対するワクチンの製造のメドがつき、1000万人分備蓄する計画が報道されていました。また厚生労働省は、抗インフルエンザ剤、タミフルを備蓄しています。
インフルエンザの治療法
インフルエンザウイルスにはA・B・Cの3型があり、このうちA型とB型がヒトのインフルエンザの原因になります。A型とB型のウイルス粒子表面にあるヘマグルチニン(H)とノイラミニダーゼ(N)という糖蛋白質は変異しやすく、ワクチンが効かない原因の一つになっています。高病原性鳥インフルエンザのH5N1は、このHとNの型による型分けです。
インフルエンザ予防にはワクチンが有効であり、本物のウイルスが入ってきても感染させないようにします。しかし、流行予想がはずれ、予想と異なるウイルスが流行すると、ワクチンが無効になることがあります。治療にはオセルタミビル(商品名タミフル)や、抗パーキンソン病薬であったアマンタジン(商品名シンメトレル)等が使用されます。タミフルは世界の中で日本での使用量が圧倒的に多く、日本人の薬好きを反映しています。
しかし、これら薬剤の有効性は限られています。療養は安静にして、水分を十分に摂り、うつす/うつされる機会をなるべく減らすことが大切です。インフルエンザに対する根本的な薬剤は無く、体力をつけ、インフルエンザに対処することが重要だと思います。
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