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五能線で見つけた一足早い  〜元気埼玉スタッフの旅行記です〜

年を取ることも悪くないなと感じた今回の旅、JR東日本の「大人の休日倶楽部」に加入して、津軽へ2泊3日のお得な旅行をしてきました。

突然に、知り合いの方から「津軽のりんご園」を見に行きませんかと誘われ、いつも仕事を手伝ってくれるMさんと一緒に出かけることにした今回の旅行。2年前、十和田湖へは行ったのですが、弘前方面は初めて、五能線は憧れの路線です。でも気になるのは、旅費のこと・・・。


Mさんが、お得なプランを探してきてくれました。50歳以上の人が加入できるJR東日本の「大人の休日倶楽部」、東日本・3日間乗り放題(指定券6回分付き)12,000円という期間限定の嬉しいチケットです。通常片道だけで16,000円以上はかかる旅費が、乗り放題で12,000円!これはもう利用しないてはないと、早速申し込み。
年を取るってこんな利点もあるのだと、自分の年に感謝です。

さて、今回の日程です。
1日目 大宮発→(新幹線はやて)→八戸→(特急つがる)→弘前 弘前泊
2日目 弘前 →(五能線)→五所川原→(津軽鉄道)→金木→陸奥鶴田 陸奥鶴田泊
3日目 陸奥鶴田→大宮

大宮から弘前まで4時間少々、青森も近くなったものです。
八戸駅での乗り換え時間は余りありませんが、大急ぎで駅弁ゲット。
美味しくて有名な駅弁があるのです。

実は、旅行中前から台風9号が日本に近づいており、ずっと曇り空だったのですが、まだ陸奥湾は静かでこの海の向こうは北海道だと思うと、旅気分はどんどん盛り上がり一人で歌う「津軽海峡冬景色」。

そして弘前に近づくにつれて見えてきた津軽富士・岩木山。黄金色に色づいた田んぼのむこうに雄大な裾野を広げ雲の上に頂上が見えます。津軽平野を守る神様たちが住んでいるという信仰の山です。

若い頃は、そんな話は一笑にふしていたのですが、この年代になると、昔の人々が人の力が及ばない大きな自然を神とあがめた気持ちがなんとなくわかるようになってきました。
 さて、荷物を駅前のホテルに置いて弘前城へ。

最近、私の旅は、泊まりを駅前の安いビジネスホテル、食事は地元の評判の居酒屋さんで方言に囲まれて名物料理とおいしい地酒、温泉は有名旅館の
日帰り温泉利用ということが多くなりました。

 弘前城は、国の重要文化財に指定された建物が多く、桜の咲く時期が有名です。そろそろ紅葉が始まった園内には見事な桜の古木。リンゴつくりといって、桜の枝が地面に付くほど背が低く剪定されています。
桜の咲く頃もう一度来てみたいと思わせる見事な園内です。
 さて、夕暮れになり津軽三味線で有名な「山唄」へ。山菜料理、ホタテの貝焼きを肴に、地酒にほんわりと気持ちよくなる頃、津軽三味線のライブが始まります。演奏者は意外にもこの音色に魅せられた県外の若者たちです。太棹から響く力強い音色、激しいバチさばきに観客みんなが聞き入ります。

三味線の音にあわせて津軽の四季の移ろいが、心に流れて行きます。低く叩きつけるような音は吹雪の
風と厳しい自然を耐える哀しみと強さ、軽やかに響く高音は津軽にようやく訪れた春をむかえる人々の心
の高鳴りでしょうか・・・
二日目は、憧れの五能線に乗って五所川原まで、そこから津軽線へ乗り換えて、太宰治の生家、斜陽館のある町金木に向かいます。津軽線は冬はストーブ列車、夏は風鈴列車、秋は鈴虫列車で有名ですが、メロス号と名づけられた可愛い二両編成の車内は中高年の人たちで一杯です。

 斜陽館は明治の大地主、津島家が明治46年に作った大豪邸です。太宰はこの家を「この父はひどく
大きい家を建てたものだ。風情も何もないただ大きいだけのである」と書いていますが、私たちから見れば
その頃の地主の富の象徴、その時代の最高の文化を寄せ集めた家、なんと贅沢なことを・・と思います。
この本州北端の土地で、一人の地主がこれだけの力を持てた時代、太宰が忌み嫌った富の象徴がこの家だったかもしれません。金屏風の間や当時珍しい洋室の陰にある、ひっそりと薄暗い畳の小部屋の中で、彼の鬱々としたそれからの人生が生まれたような気がします。
 さて、五所川原に戻って立ねぷた会館へ。お盆の燈篭からうまれ、当時の豪商や大地主の富の張り合いから次第に巨大化していったねぷた。青森、弘前だけでなくこの五所川原もねぷた祭りの町として有名で、会館には20mを超える三基の立ちねぷたが展示されています。駅前の商店街は、シャッターが降りたままの店もあり人通りの少ない静かな町ですが、今も8月の祭りの日には、観光客や近隣から集まった見物客も巻き込んで、町中が大きな興奮に包まれると言います。
その日の宿は、県内最大の人造湖津軽富士見湖畔にある、国民年金健康保養センターつがる富士見荘に宿泊。ほやの刺身に冷たいビール、岩木山を見ながら入る温泉にまさに満足の一夜。

 三日目、朝早くおきて自転車を借りて湖畔の周りを一周。どうやら道を間違えたらしくリンゴ畑の中を10キロ以上走り回り汗びっしょり。気ままな旅にはこんなハプニングもあるのです。相棒と2時間の健闘を讃えあったあとは、りんご園の宮本農園の見学へ。

低農薬で、樹で完熟させてから出荷させる手間隙かけたリンゴ作りを続けている宮本農園は、観光農園ではありませんが、知り合いの方の紹介で今回特別に案内していただけました。
樹の手入れ、消毒、堆肥作り、袋かけ、収穫と一年中休む暇もない果樹園の仕事は、重労働です。
特に今年は、冬からの積雪が少ない上に雨が少なく、大変な水不足。また今年の夏は津軽でも35℃を越える異常な暑さでした。 そしてようやく実ったリンゴ、樹からもぎ取ったばかりの実は、さくさくと歯ごたえがあって、甘い果汁がぽたぽたこぼれ落ちるほどです。

朝のサイクリングの途中で、曲がった腰を伸ばすようにして作業をされる高齢の方を多く見かけましたが、中国から、安い野菜や果物が輸入される今、国内の食への取り組みの大切さをつくづくと感じました。

このあと、また弘前経由で八戸から大宮の帰途に着いたのですが、大宮に着くとすでに台風接近中。
その晩、一晩中吹き荒れる強い風雨の中、真っ赤に熟れたあのリンゴがどうぞ、無事に台風に耐えてくれるように祈るばかりでした。

今回の津軽旅行、三日間ずっと岩木山を見ながらぐるりと裾野を巡った旅。
私の旅は、今までの「たくさんのものを見て歩く旅行」から、「少しだけ本当に好きなものを見る旅」に変わってきました。仕事に追われず、ゆっくりと歩けるようになったから、人生を重ねて今までと違う感じ方が出来るようになったから・・・と言いつつ、次は五能線に乗って白神山地まで行きたいと旅のパンフレットを抱え込んで帰る私です。

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