1.孫たちの分け前を先取りしていないか―「持続的な発展(開発)」ということ
「孫たちが大人になる頃、この地球はどうなっているのだろうか、
安心してゆたかに暮らしていけるのだろうか」
地球環境問題にからんで、いま「地球の持続可能性」ということがさかんにいわれています。人々がゆたかに暮らしていくためには、経済的発展が必要です。しかし、皆さんも心のどこかで心配されているように、今のままの経済発展が続いていくと、とてもじゃないですが、地球はもちそうもありません。中国やインドが、アメリカや日本のように経済発展したら・・・!?
もっとも大きなのは、石油をはじめとするさまざまな資源の枯渇、それよりも経済的発展がもたらすCO2排出増加による地球温暖化など環境破壊。時あたかも、地球温暖化に警鐘を鳴らしつづけたゴア・前アメリカ副大統領と、IPCC(国際連合「気候変動に関する政府間パネル」)が、今年のノーベル平和賞を受賞しました。
そうした深刻な資源や環境問題から、いま「持続可能な発展(開発)」ということが、キーワードになりつつあります。それは、国連でも真剣に議論され、次のように定義されました。
「将来世代がそのニーズを満たす能力をそこなうことなく現世代のニーズを満たす発展(開発)」
やさしくいいますと、「私たち世代がゆたかな生活を続けていくことも必要ですが、孫たち以降の世代もゆたかに暮らしていけるよう地球を守っていかなければならない」ということです。
しかし、先にもいうように、今のままの発展を続けていくと、地球がもたないのではないかと、みんなが心配しています。
つまり、これを裏返していうと、今の私たち世代の豊かな生活は、孫たちがゆたかに暮らしていく将来世代の分け前を現世代が奪っているということです。もっとわかりやすくいうと、私たち世代のゆたかな生活は、孫たち以降の世代がほんらい受けとるはずの分け前を奪って成り立っている、その犠牲の上になりたっているのではないかということです。
私たちがゆたかな生活を謳歌していることが、資源を枯渇させ、地球温暖化など環境悪化をもたらしているからです。資源を枯渇させることが、孫たちの分け前を奪っているということは解りやすいかもしれませんが、地球温暖化など環境を壊すということも、それは、とりもなおさず、地球がほんらい持っている環境修復能力を奪うということなのです。地球は、少しの環境破壊は修復するキャパシティを持っていますが、それを超える破壊は修復不可能なのです。大気中の炭酸ガス(CO2)の増加による地球温暖化が、その最たるものです。
この地球がもたない、というのは、具体的には資源問題と環境問題に現れてくるわけですが、このシリーズでは、あとの環境に焦点をあてて考えていきます。
次回は、生態系ということについて。 |