菜の花が満開の和田浦登山口からわくわくしながら出発した。
和田浦歩こう会の青年たちが要所要所で声を掛けてくれる。
花き栽培のシーズンを迎え、ハウスの中には色とりどりのカーネーション、ストック、キンギョソウなどが咲き始め、露地栽培のポピーやキンセンカもぼちぼちだ。
20分ほどで花嫁街道入口に着いた。
花嫁街道ハイキングコースは、和田浦歩こう会によって展望台や見晴台、標識やベンチ、トイレなどよく整備されている。
登山家の岩崎元郎氏が、烏場山を新日本百名山に選んだことで、人気に拍車が掛かり、連日大勢のハイカーで賑わっているらしい。
海岸近くから歩くので低山であることを感じさせないし、照葉樹林に覆われた山は、深い森の趣を持っている。 |

お花畑 |
昨日の雨でくちゃくちゃにぬかるんだ登りは、滑らないよう慎重に歩く。
疎らなスギの木に囲まれた第一展望台で一息入れ、
日陰は風が冷たいし、バスの中で予習したので第二展望台も経文石もじがい水も確認する程度でそのまま通過する。
それにしてもマテバシイの純林は見事だ。『おおきなきがほしい』という絵本がある。あの木こそマテバシイなのだ。
その昔、山間の集落から海辺の集落へ嫁ぐ花嫁が、この道を歩いたという。
ロマンチックな花嫁街道の名に往時を偲び、駒返しで小休止後、更に15分、南面に開けた広い展望台(カヤ場)でランチ。
穏やかな日差しが心地よい至福のひとときだ。 |

展望台(カヤ場) |
カヤ場から階段道を一気に登ると、266mの烏場山に着いた。
さほど広くない山頂の標識は、伊予ヶ岳、愛宕山、清澄山、富士山、伊豆大島などなど、十指に余る山の名がそれぞれの方向を示している。
傍らに、小首をかしげ三つ指ついた花嫁さんの石像があり、元花嫁さんが一緒に記念写真を撮ってもらっていた。
近くの山々はよく見えたが、富士山は見えない。
ここからの下りを花婿コースと呼び、旧烏場展望台などを通るこの道も植生は同じようで、マテバシイの中にスダジイの巨木が見られ、スギやヒノキ、赤い実を付けたアオキも多い。
落葉樹はヤマザクラやハゼノキなどがたまに見られる程度だ。
大きなタブノキが象徴的な標高171mの見晴台からは太平洋の眺めが素晴らしい。 |

烏場山からの展望 |
ぬかるんだ道は相変わらずで、黒滝まで下り、流れに入って泥靴を洗った。
沢沿いに少し歩くとはなその広場に出た。
遠くにコウバイが咲いている。行こうとしてふと気づくと近くのテントで和田浦歩こう会が接待と農産物の販売をしていた。花より団子よろしく吸い寄せられて行く。
大好きな牛乳と、珍しいクジラの竜田揚げを頂いた。
聞けば和田浦に小型沿岸捕鯨基地があるとのこと。イワシのつみれ汁と聞けば、少なめにお願いしてこれも頂く。
小腹が空いたところで、温かく美味しいサービスに感激して、トイレ休憩もそっちのけの、慌ただしい集合、出発だった。 |

黒滝 |
抱湖園への登りは満腹の身には応えた。
田畑や竹藪の薄暗い道を抜け、丈の低いソテツの林を越えると、コウバイは盛りを過ぎ、ハクバイとカンザクラが咲き始めていた。
元日の朝には咲いているから元朝桜というそうだ。ここはしっかり団子より花を楽しんで、今朝来た道に合流した。
帰りのアクアラインでは美しい日没と、夕映えの中に日本一の富士山を見ることが出来た。
昨日の雪が夢のような晴天に恵まれ、最高の山行だった。 |

抱湖園 |