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天王沼から官ノ倉山 ―見晴らしのよい尾根道を歩く―
官ノ倉山(334m)は比企郡小川町と秩父郡東秩父村の境に位置しています。このコースは東武鉄道が主催する「外秩父七峰縦走」ハイキングコースの一部で、よく整備され安心して歩くことができます。
東武東上線の東武竹沢駅から歩きはじめます。3月の下旬だったので白梅の花は咲き終わり、ミツマタの黄色い花が満開でした。自然が豊富なのどかな山里を歩いていくと、左前方に天王沼が見えてきました。沼のほとりにある石碑には、昭和2年に灌漑用の沼として造成されたと記されていました。東屋がありスギ林に囲まれた眺めの良いところです。風が吹いて沼の水面には綺麗な小波がたっていました。
ここから山道となりスギ木立の中を登ります。汗をかきながらの登りは、そよそよと吹く風も肌に冷たく感じられます。広場になった官ノ倉峠をすぎると傾斜も強まり、石混じりの斜面を「あと一息」と声を掛け合いながら、ようやく山頂につきました。
ここでランチタイムです。みんな先ほど大変な思いで山道を登ったことも忘れ、うれしそうな顔で思い思いのお弁当を広げて食べ始めました。時おり楽しそうな笑い声も聞こえてきました。
頂上からは遠くに雪をつけた日光男体山をはじめ、赤城山、子持山、榛名山などが見え、近くには頂上にドームのある堂平山から笠山、登谷高原牧場や釜伏山などの展望を楽しみ、三角点の標識も確認することができました。
お腹がいっぱいになって、次は石尊山へ登ります。官ノ倉山からおよそ10分、標高344mの山頂につきました。ここには小さな石の祠があり、官ノ倉山と同じように360度の展望が広がっていました。
下りはロープなどもあり、ちょっとしたスリルを味わうことができます。慎重に一歩一歩、足場を確かめながらゆっくりと下りました。枯葉を踏んだり、小石に足が乗ったりして「ズルーッ、ズルーッ」という音を聞きながら、気を緩めることなくくだりました。
下りきったところの右手の高みに北向不動が祀られていますが、あまりにも急階段なので、山道から手を合わせて通過しました。「官倉林道開発碑」の立派な碑の前を通ると集落が見えてきました。下の棚田を見るとセリやヨモギがいっぱい生えていました。休憩をして春の草摘みがはじまります。わずかな時間でしたがのどかなひとときでした。夕食には新鮮な春の山菜が食卓を賑わしたことでしょう。
最後の登りの竹林を抜けると車道にでて、今日の最終地点の八幡神社で小休止。街中をすこし歩くと小川町駅に到着しました。
(歩行時間約3時間30分)
文:三芳町ハイキングクラブ 志村美代子
写真: 〃 中里宗弘
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