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札立峠から破風山
―冬枯れの尾根道を歩く―
西武秩父線「皆野駅」前から町営バスで秩父華厳の滝へ、ここが本日のハイキングのスタート地点です。
茶屋の横を少し登ると葉を落とした木々の間から一筋となって落ちる滝が見えてきます。
秩父華厳の滝は落差10mほど、なかなか見ごたえのある滝です。
滝見物を終え、小沢にかけられた危なげな木橋を恐る恐る渡り、登山道に入りました。はじめから急な坂で、すぐ身体が汗ばんできました。真冬とはいえ風もなく、日だまりはポカポカしています。
林の中を登っていくと山の斜面に家が見え、大前の山上集落につきました。標高は約500m、わずかですが道端に雪が残っています。人影も見えません。
大前山の分岐からひと登りで天狗山につきました。山というより岩峰という感じです。小さな石の祠があり、熊野那智大社、青岸渡寺と書かれた御札が祀られていました。
両側が切り立ち、すこぶる居心地が悪いのですが、ここでランチタイムです。普段だとおかずや果物が回ってくるのですが、足場が悪いため手の届く範囲での交換です。
風もなく日ざしはあるのですが、長く休んでいるとさすがに身体が冷えてきます。山頂からの降りは「本当にここをくだるの?」と首を傾げたくなるような急斜面です。お腹がいっぱいになった身体にはこたえます。一歩、一歩足元を確かめながら降りました。
ホットする間もなく、今度は大前山のクサリ場です。距離は短いのですが、両側がスパッと切り立ち、高度恐怖症の人だと足が止まりそうです。もちろん滑り落ちるようなことがあれば大変なことになります。
木の間から両神山が見えています。イボ取りの神様という「如金さま」の大岩をすぎると札立峠です。やわらかい冬の日ざしが辺り一面を照らしていました。
破風山(627m)の山頂もわれわれだけの貸し切り。
秩父の町並みの向こうに武甲山がとても大きく見えました。セメントの採掘で痛々しい山肌も、今日は春霞のベールで覆われています。
どこが猿の顔なのか姿なのかよくわからない猿岩を見上げ、風戸集落にくだりました。ここにも過疎化の波が押し寄せているのか、朽ち果てた無人の家が目立ちました。
またガラガラのバスに乗り皆野駅に戻ります。夕暮れの気配となったホームから西の空を見ると、今日一日歩いた破風山の黒々とした山並みが、ゆったりと広がっていました。
(歩行時間約3時間20分)
文:三芳町ハイキングクラブ 小林利秋
写真: 〃 牧 英雄
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